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コンタクトレンズには、さまざまな度数表記があります。近視用や遠視用、乱視用など、コンタクトレンズの種類よってその表記方法は異なります。
パッケージなどに英語や数字がたくさん並んでいますが、何を表しているのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
コンタクトレンズ特有の表記を正しく理解することは、目のトラブル防止や快適なコンタクトレンズライフのためにとても大切です。
コンタクトレンズの度数や特有の表記の見方について詳しくみていきましょう。
コンタクトの度数の基礎知識
コンタクトレンズを購入する際にきちんとチェックしなければならないのが、度数に関する情報です。外装の箱やレンズの一つひとつの包装にも、それぞれ英語や数字で記載されています。
これらの記載を理解して、自分に合った正しいレンズを選びましょう。
コンタクトレンズの度数は以下の種類があります。
・近視度数
・遠視度数
・乱視度数
・加入度数
近視度数(POWER・PWR・P・D・SPH )
そもそも、近視とは、遠くが見えづらい状態のことをいいます。
近視用のコンタクトレンズにはPOWER・PWR・P・D・SPHいずれかの表記があり、この後に続く数字が度数を表します。数字が大きくなるほど、度数が強くなることを意味し、度なしは±0で表します。また、近視の場合は数字の前に「-(マイナス)」が入ります。
英字部分の表記はメーカーによって異なるため、お使いのコンタクトレンズの表記方法を確認してみてください。
遠視度数(POWER・PWR・P・D・SPH )
遠視は、本来ピントを合わせたい位置より焦点が奥になってしまう状態です。
遠視用のコンタクトレンズも近視用と同様、POWER・PWR・P・D・SPHのいずれかが度数を表し、数字が大きくなるほど度数が強くなります。
近視と違うのは、数字の前に入るのが「+(プラス)」となることです。
遠視の場合もメーカーによって英字の表記方法が異なるため、確認してみましょう。
乱視度数(CYL・CY・AXIS・AX)
乱視とは、物がぼやけて見えたり、二重に見えたりする状態です。
乱視用のコンタクトレンズには、近視・遠視の度数表記に加え、乱視を矯正するための度数表記があります。
乱視度数であるCYL・CYと、乱視軸を表すAXIS・AXの主に2種類です。
・乱視度数(CYL・CY)
乱視度数は乱視の強さを表し、「-(マイナス)」が数字の前に入ります。こちらも近視や遠視と同様、数字が大きくなるほど度数が強いことを意味します。
・乱視軸(AXIS・AX)
乱視軸は乱視の角度を表します。直乱視、倒乱視、斜乱視など人によって乱視の軸(角度)が異なるため、それに応じた表記となります。
乱視軸は10°~180°の範囲がありますが、ひとつの商品につき1~4種類の製造範囲が一般的です。
加入度数(ADD)
遠近両用コンタクトレンズには、近くを見えやすくするための加入度数(ADD)が「+(プラス)」で表されます。これは、遠くを見るための度数と近くを見るための度数の差を表しています。
加入度数(ADD)を調整することで、近くの見やすさを向上させることができます。
その他の表記(BC・DIA・EXP)
コンタクトレンズの表記はほかにもあります。これらも、目にあったコンタクトレンズを選んだり適切に使用するために大切な情報です。
・ベースカーブ(BC)
「BC」とは、ベースカーブのことで、レンズのカーブの大きさを表しています。
数値が小さいほどカーブがきつく、数値が大きいほどカーブがゆるくなります。
使い捨てコンタクトレンズの場合、8.3~9.0のベースカーブが主流です。目の表面の曲がり具合には個人差があるため、それぞれに合ったベースカーブのコンタクトレンズを使用することはフィット感を高めたり目のトラブル防止のうえでも重要です。
・レンズ直径(DIA)
「DIA」とはダイアメーターの略でレンズの直径を表しています。
単位は「mm」で、数値が大きくなると直径が大きくなることを意味します。
例えば、「DIA14.0」と書かれている場合、直径14.0mmのレンズということになります。
ソフトコンタクトレンズの場合、DIAは13~15mmが一般的です。
・使用期限(EXP)
「EXP」はレンズの使用期限を表しています。未開封の状態で安全性や機能性を保証できる期限のことです。
記載された期限を過ぎたコンタクトレンズは、たとえ未開封で見た目に問題がなくても性能が落ちている可能性があります。トラブルのリスクを避けるためにも、使用は控えましょう。
コンタクトの度数を確認する方法
自分の度数がどれくらいなのかを知るための方法は主に2つあります。
眼科で検査を受けて処方せん(処方指示書)をもらう方法と、すでに使用している製品から調べる方法です。
ここではそれぞれの確認方法を詳しく解説します。
処方せん(処方指示書)
コンタクトレンズの度数は、眼科医による検査を受け、処方せん(処方指示書)をもらうことでわかります。
これらの書類には、度数をあらわす「POWER・PWR・P・D・SPH」などの記載があり、ここに記載されている数字が度数となります。数字と合わせて近視は「-」、遠視は「+」の表記があります。
また、乱視の場合は乱視度数である「CYL CY」や乱視軸「AXIS AX」、遠近両用コンタクトレンズの場合は加入度数の「ADD」も合わせて確認しましょう。
商品パッケージ
コンタクトレンズの度数は外箱やブリスターケースに記載されている英字や数字から確認をする方法もあります。
手元に処方せん(処方指示書)がない場合は、使用している製品のパッケージを見てみましょう。
「POWER・PWR・P・D・SPH」のいずれかと合わせて記載されている数字が度数を表します。処方箋と同様に、近視は「-」、遠視は「+」の表記があります。
乱視の場合は「POWER・PWR・P・D・SPH」の度数表記に加え、乱視度数である「CYL CY」や乱視軸「AXIS AX」の記載があります。
遠近両用レンズには、加入度数を表す「ADD」の記載があります。
使用しているコンタクトレンズの種類にあわせて確認してみましょう。
視力やメガネの度数との違いって?
視力と度数の違い
視力と度数は似ているように感じるかもしれませんが、実はこのふたつは別物です。
視力とは、見える力を数値化したもので、視力検査によって導き出されます。
一方で度数とは、見える力を発揮するために必要なレンズの矯正力の強さを数値で表したものです。
視力が低いと強い矯正が必要となるため、度数が強くなります。
メガネの度数との違い
コンタクトを購入する際、メガネの度数と同じものを購入すればよいのではないか、と思う方もいるかもしれません。実はメガネとコンタクトの度数は違うことが多く、同じ度数でも見え方が同じになるとは限りません。
コンタクトは目(角膜)に直接装着しますが、メガネはレンズが目(角膜)から12mmほど離れた状態になります。この距離の違いにより、同じ度数にはならない可能性があるのです。
メガネとコンタクトそれぞれ、必ず検査を受けたうえで正しい度数のものを使用するようにしましょう。
まとめ
コンタクトレンズの度数は、近視・遠視用、乱視用、遠近両用など、種類によって特徴があります。
度数のほかにもベースカーブや直径などの数値の確認方法や意味についても理解しておきましょう。目の健康を守り、快適にコンタクトを使用するうえでとても大切な情報です。
例えば、オンラインショップでコンタクトを購入する際などは、このような数値を誤って選択してしまうと使用できないコンタクトレンズが届いてしまうため、特に注意が必要です。
コンタクトレンズの度数や数値の見方を正しく知って、快適なコンタクトレンズライフを過ごしましょう。