あなたの洗い方は大丈夫?コンタクトレンズの正しい洗い方
2025.07.07

あなたの洗い方は大丈夫?コンタクトレンズの正しい洗い方

目次

コンタクトレンズのケアを正しく行えていますか?毎日何となくケアしていて、実は自信がなかった、なんて方も多いのではないでしょうか。
コンタクトレンズや、ケア用品には種類があり、それぞれ異なった洗い方や使用方法があります。

このコラムでは、洗い方、保存方法、注意点など、適切なケア方法について詳しく解説します。

コンタクトレンズやケア用品の種類によって洗い方が異なる

コンタクトレンズは、ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズでそれぞれ特性が異なるため、ケア方法にも違いがあります。
さらに、使用するケア用品の種類によっても方法が異なります。
コンタクトレンズを洗う際は、コンタクトレンズの種類、そして使用するケア用品がどのタイプなのかを把握し、正しい知識を身につけておきましょう。

ケア用品について詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。


コンタクトレンズを洗う前に

コンタクトレンズやケア用品の種類に関わらず、コンタクトレンズを取り扱う前に次の点に注意しましょう。

  • コンタクトレンズを傷付けないよう爪を短く切り、整える
  • 石鹸で手を洗い、キレイな布で手を拭く
  • 洗面所に流してしまわないようにしておく

コンタクトレンズを扱う際は、必ず手を清潔にしましょう。
もし清潔ではない手でコンタクトレンズを扱ってしまうと、手から汚れや細菌が移ってしまうため、石鹸で手を洗いましょう
手を洗ったら、清潔な布やタオルで水気を拭き取ることも大切です。濡れたままの手でコンタクトレンズを扱うと、扱いにくいだけでなく、ソフトコンタクトレンズの場合は水道水を吸収してトラブルのもととなってしまいます。

また、長く伸びた爪と指の間には、汚れや細菌が溜まりやすいものです。不衛生な状態でコンタクトレンズに触れないためにも、あらかじめ爪を切って整えておきましょう。

目の健康のため、そしてコンタクトレンズ本体を安全に扱うためにも、上記のポイントはしっかり押さえてください。

ソフトコンタクトレンズの洗い方

ワンデータイプ以外の繰り返し使用するソフトコンタクトレンズ(2weekや1monthタイプ)は、使用後に毎回ケアが必要です。
ソフトコンタクトレンズの洗浄に使用する主なケア用品は、次の3種類です。

  • MPS(マルチパーパスソリューション)
  • 過酸化水素タイプ
  • ポビドンヨードタイプ

コンタクトレンズのケアは、洗浄・すすぎ・消毒・保存の工程からなり、使用するケア用品によって、手順や使用方法が異なります。
ここからは、それぞれのケア用品を使用した洗い方について解説します。

MPS(マルチパーパスソリューション)の場合

MPS(マルチパーパスソリューション)の特徴は、1本で洗浄・すすぎ・保存・消毒が行えるところです。
MPS(マルチパーパスソリューション)を使ったケアの基本的な手順は次の通りです。

1.洗浄
・手のひらにレンズをのせ、MPSを5〜6滴たらす。
・レンズの両面を指の腹でこすり洗いする

2.すすぎ
コンタクトレンズの両面をMPSで十分にすすぐ

3.消毒、保存
MPSを満たしたコンタクトレンズケースにレンズを完全にひたし、一定時間以上つけ置きする

装用直前にもMPSでコンタクトレンズを十分にすすぐとよりよいでしょう。
MPSはほかの消毒液と比較すると手軽ですが、消毒効果は強くないため丁寧なこすり洗いが必須です。

過酸化水素タイプの場合

過酸化水素タイプとは、過酸化水素が主成分のケア用品です。
消毒力の強さが特徴で、こすり洗いの必要がありません。ただし消毒液の中和が必要なため、洗浄後は一定時間置いておく必要があります。

過酸化水素タイプを使ったケアの基本的な手順は次の通りです。

1.洗浄・消毒
・専用のケースにコンタクトレンズをセットする
・ケース のガイドラインまで消毒液を満たす(中和が必要なタイプの場合は、中和剤を投入する)

2.中和
ケースの蓋を閉め、添付文書に記載されている時間を守ってつけ置きする(気温によって中和にかかる時間が変化するケースもある)

3.すすぎ
必要があれば、装用する前に専用の洗浄液ですすぎ洗いをする

過酸化水素には強い消毒効果がありますが、刺激が強いため正しく中和しないまま目に入れてしまうと強い痛みが生じたり、眼障害や失明のリスクがあります。中和時間を正しく守り、十分注意しましょう。

ポビドンヨードタイプの場合

ポビドンヨードタイプとは、うがい薬にも使用される消毒成分のポビドンヨードが配合されたケア用品です。

1.洗浄・消毒
・専用のケースにコンタクトレンズをセットする
・ケースに「消毒液・中和剤」と「溶解・すすぎ液」を規定量入れる

2.中和
ケースの蓋を閉め、添付文書に記載されている時間を参考に、液がオレンジ色から無色に変化するまでつけ置きする

3.すすぎ
装用する際は、専用のすすぎ洗い液で洗い流す

ポビドンヨードタイプは、消毒効果とタンパク除去力に優れている点が特徴です。コンタクトレンズ本体の頑固な汚れにお困りの場合は、一度試してみるのもおすすめです。

ハードコンタクトレンズの洗い方

ハードコンタクトレンズの場合、以下の2種類の洗浄方法があります。

・つけ置き洗い
・こすり洗い


ハードコンタクトレンズは一般的に長期間使用するため、定期的にタンパク除去をして汚れの蓄積を防ぐことも大切です。 また、ソフトコンタクトレンズとは洗い方が異なるため、それぞれのケア方法を詳しく見ていきましょう。


つけ置きタイプの場合

つけ置き洗浄は、酵素で汚れを分解する方法です。
コンタクトレンズを洗浄液に決まった時間つけ置きすることで、洗浄ができます。1液(酵素洗浄液)と2液(希釈液・すすぎ/保存液)の2本に分かれたタイプと、洗浄も保存も1本で完結するタイプがあります。

ハードコンタクトレンズのケア用品のほとんどはつけ置きタイプですが、こすり洗いも併用して週に数回はしっかりと汚れを除去するようにしましょう。
つけ置き洗浄の基本的な手順は、以下のとおりです。

1.すすぎ
コンタクトレンズを専用の洗浄液もしくは水道水ですすぐ

2.洗浄・消毒
保存液、もしくは洗浄保存液で満たしたコンタクトケースにレンズを収める

3.保存
蓋をして、規定の時間つけ置きする

装用する際は、事前に洗浄液ですすぎましょう。

こすり洗いタイプの場合

こすり洗いは洗浄力に優れている点がメリットで、つけ置きでは除去できない汚れや雑菌も物理的に洗浄できます。
こすり洗い用の洗浄液には研磨剤が含まれているタイプと含まれていないタイプがあります。使用している製品によってはレンズ本体のコーディングが剥がれたりする場合があるため、研磨剤入りの製品が使用できるか、確認してから使用しましょう。

1.すすぎ
コンタクトレンズを専用の洗浄液もしくは水道水ですすぐ

2.洗浄・消毒
・手のひらにレンズをのせ、レンズの内側に洗浄液を4~5滴たらす
・レンズの両面それぞれ、こすり洗いをする

3.すすぎ
専用のすすぎ液または水道水でよくすすぐ

4.消毒・保存
保存液、で満たしたコンタクトケースにレンズを収める

装着する際は1~4の手順でこすり洗いとすすぎをおこないましょう。

毎日の洗浄で落としきれなかった汚れは、強力たんぱく除去剤を使用して汚れの蓄積を防止しましょう。1週間~1カ月に一度の頻度での使用をおすすめします。

こんな洗い方はNG!

とくにソフトコンタクトレンズを洗浄するとき 、適切ではない方法でケアしてしまうと、さまざまなトラブルの原因になりかねません。
もしかしたら、普段何気なくやっているケアのなかで、NGな方法があるかもしれません。順番にチェックしていきましょう。

指の先端でこすり洗いをする

指の先端で洗うと、爪がレンズと接触してしまい、傷がついたり破れてしまうおそれがあります。
傷がついたレンズを使用した場合、目のトラブルが発生するリスクもあります。

また、指と爪の間は汚れや雑菌が付着しやすく、きちんと手を洗ったつもりでも意外と汚れが残っていることもあります。そのため、指の先端ではなく必ず指の腹を使って洗浄しましょう。

円を描くようにこすり洗いをする

円を描くようにこすり洗いをするのもやめましょう。円を描くようにこすってしまうと、レンズにねじれやよれが生じ、破損の原因となります。
必ず同一方向にこすり洗いをしましょう。

水道水でソフトコンタクトレンズを洗わない

ソフトコンタクトレンズは、水道水で洗浄してはいけません。
ハードコンタクトレンズであれば水道水ですすいでも問題ないですが、ソフトコンタクトレンズでは絶対にやめましょう。
これは、ハードコンタクトレンズは水分を含んでおらず、ソフトコンタクトレンズは水分を含んでいるという違いによるものです。
もしソフトコンタクトレンズに水道水が付着してしまうと、レンズが水道水を吸収して変形してしまいます。

また、水道水に含まれる雑菌や微生物の影響で眼病につながるおそれもあります。必ず専用の洗浄液を使用して洗ってください。

コンタクトレンズ を洗うときの注意点

最後に、ハードコンタクトレンズも含めた洗浄時の注意点について解説します。目の健康を守るためにも、しっかり把握しておきましょう。

コンタクトレンズ ケースもお手入れしよう

コンタクトレンズ本体だけでなく、コンタクトレンズケースも手入れをしましょう。目の健康の大敵である汚れや雑菌はケースの中にも発生します。
そのため、ケースは使用するたびにフタまでしっかりと洗浄し、完全に乾燥させましょう。このとき、布などで水分をふき取ると布に付いている雑菌がケースに移ってしまうため、自然乾燥させてください。
湿ったまま放置してしまうと、雑菌やカビの繁殖につながります。せっかくレンズケアを正しくおこなっていても、ケースが不衛生だと意味がなくなってしまいます。

また、一定期間使用したケースは、定期的に新しいものへ交換することも大切です。

つけ置き時間や中和時間を守ろう

コンタクトを安全に使用するためにも、つけ置き時間や中和時間は、必ず守りましょう。時間が足りないと、汚れを十分に除去できない可能性があります。
汚れが落ちていないままのコンタクトレンズを装用してしまうと、目が炎症を起こしたり、感染症にかかったりするおそれもあります。

また、つけ置きタイプの洗浄液は刺激が強いため、中和が完了しないままの状態でレンズを装着してしまうと目に強い痛みが生じる危険があります。
ケア用品の添付文書をよく確認し、つけ置き時間や中和時間はしっかりと守りましょう。

まとめ

改めて正しい洗い方を確認してみると、今までに無意識にNG行為をしていたという方もいるのではないでしょうか?

コンタクトレンズは身近で便利な存在ですが、ケアの際は正しい手順を守ることが、目の健康を守ることにもつながります。
今回紹介した正しい洗い方を守って、快適なコンタクトレンズライフを過ごしましょう。

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